多汗症 治療/手掌多汗症/多汗症 手術について
多汗症の治療
多汗症の治療には、いくつもの種類がありますので、順番に説明していきたいと思います。
多汗症は、汗をかきやすい体質と精神的な「ストレス」が原因で起こることが多いとされています。
ですから「ストレス」をなくすことが多汗症治療の第一歩と言えるでしょう。
ストレスを軽減する治療法として精神安定剤を服用する方法があります。
この際に使われる精神安定剤は、汗を止めることが直接の目的ではなく、汗に対する精神的な不安を除去することが目的です。
それによって多汗症が軽減するとされています。
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直接、汗を止める治療法としては、抗コリン剤という交感神経の働きを抑制する働きを持つ内服薬を服用する方法があります。
これは汗をかくときに交感神経から出てくる「アセルリコリン」を止めるもので、全身に作用します。
抗コリン剤は、喉や目の渇き、尿の出が悪くなる副作用もあるので、服用には医師による適切な処方が必要となります。
また別の治療法としては、ボトックス注射を打つという方法があります。
ボトックス治療は、両わきや両方の手のひら、両足の裏に行うことが可能です。
治療自体はとても簡単で10分くらいで治療は終わります。
ボトックス注射は、精神性発汗型には非常に効果があるようです。
それ以外にも患部に塩化アルミニウムを塗る治療法があります。
毎日塗り続けると、1〜2週間くらいで多汗症を軽減する効果が現れ、一度効果が現れるとしばらくは効果が持続するそうです。
この治療法には「オドレミン」がよく使われます。
その他に、交感神経遮断術という治療法もあります。
この治療法は、わきや手の汗を止めるために、手術によって胸部の交感神経の一部を遮断します。
手術の際には、全身麻酔をかけて、内視鏡を入れて交感神経の根元を焼いてしまうそうです。
これで目的の箇所からの発汗は止められても、他の箇所からの発汗が増えてしまう場合があるので、医師と十分に相談して納得してから治療に臨んでください。
多汗症の治療法として薬物をしない方法で、食事療法や運動療法など様々な方法がありますので、自分に最もあった治療法を選んでください。
手掌多汗症
手掌多汗症とは、特に精神的緊張時に手のひらに多量の汗をかき、生活に大きな支障をきたす疾患です。
緊張時に手のひらの汗が増えるのは「手に汗握る.」の言葉どおり、多くの人が経験するところですが、この病名がつく人の汗の量は想像を絶するものです。
テストで紙がぐしょぐしょになる、握手ができないなどなど、患者さん本人の悩みは様々でかつ深刻です。
「手掌多汗症」は自律神経のひとつである交感神経が過度に緊張することが原因です。
今まで皮膚科の先生による治療も、なかなか効果が得られませんでした。
最近の光学システムや周辺機器の開発により、内視鏡を用いる手術がめざましく進歩しています。
「手掌多汗症」も胸腔鏡下胸部交感神経節切除術による治療が可能になっています。
発汗中枢は視床下部にありますが、手掌多汗症は精神性発汗で大脳からの刺激が深く関与していると考えられます.この神経刺激経路が胸部交感神経を経由しているので同部でこの経路を遮断すれば手のひらの汗が止まります。
下記の如く様々な治療法がありますが、重症の方には効果がないことが多いのです。
皮膚科的治療:アルミニューム製剤等の止汗剤塗布イオントフォレーシス精神科、心療内科の治療:自律神経調整剤の内服、自律神経訓練法麻酔科、ペインクリニック:星状神経節ブロック、交感神経節ブロックなど手術効果はほぼ100%です精神性発汗の治療法--------------------------------------------------------------------------------◆精神分析法自由連想法を用いる。
やり方は、まず週に何度かの面接で患者さんは寝椅子に横たわり、頭に浮かんだ事柄をすべて話す。
治療者は、そのときの態度、内容、感情などを分析して患者さんに告げる。
患者さんは、それに基づき幼児期の対人関係やコンプレックスを洞察し過去の記憶を思い出して、現在の感情や症状(汗)との関係について考えていく。
◆ロゴセラピーと逆説志向「汗をかくまい」と思えば思うほど緊張して汗をかくなら、「どんどん汗をかいてやれ」と開き直ることで緊張を遠ざけようというもの。
◆系統的脱感作法と自律訓練法訓練により、意図的に自分の自律神経をコントロールする方法を身につける。
一般的には病院で練習し、その後、自宅で朝夕1日2回ほど行う。
◆薬物療法精神安定剤、自律神経調整剤、中枢性の睡眠剤などを用いる。
ただし、副作用を生じることがある。
五味クリニックでは柴胡加竜骨蛎蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯など重鎮安心薬を用いて効果を上げている。
また、抗コリン剤で発汗を抑えることができるが副作用の心配がある。
◆集団療法(エンカウンター)同じ悩みを持つ患者が集まり、様々な演習、ゲームなどを通じて自己主張訓練、自己表現訓練、他人と共感できる訓練、他人を理解する傾聴訓練や交流分析を行う。
◆神経ブロック星状神経ブロック、内視鏡下胸部交感神経節切除術がある。
いずれも手術療法で後遺症などもあるので、きちんと医師と相談した上で慎重に決断すること。
◆その他の療法ホルムアルデヒド(ホルマリン)やアルミニウム塩などの制汗剤があり、一時的に汗が減少する。
また薬剤液の中に手を入れ弱い電流を流し、汗腺に薬剤を効果的に浸透させるイオンフォレーゼという方法があるが、現在、あまり行われていない。
ボツリヌス菌を注射するという治療法もあり、五味クリニックでも検討している。
※いずれの治療法も、患者さんによって効果は違い、向き不向きもあるので信頼できる医師と相談の上、行ってくださ自分でできる治療法
◆多汗恐怖症の人のための呼吸法
(1)就寝前にふとんの上で行う。
正座かあぐらをかき、全身の汚いものを出すような気持ちで息を吐き出す(呼気)。
それから自然におなかに息を吸い込む(吸気)。
次に息を止める(保息)。
呼気・吸気・保息は2対1対4の比率になるようにする。
最初は呼気8秒・吸気4秒・保息16秒で練習し、10秒・5秒・20秒・16秒・8秒・32秒と増やしていく。
(2)右鼻腔を右手親指でふさぎ、左鼻腔をあけ、息を出し、次に息を吸う。
今度は左鼻腔を右手中指でふさぎ、右鼻腔をあけ、息を出し、次に吸う。
このように左右の鼻腔から交互に呼吸する。
(3)1秒間に1〜2回のリズムで連続的に息を吐き出す。
吸気は意識せず、空気が自然に吸入されるままにする。
◆五味式自律訓練簡便法
(1) 前述した3種類の呼吸法を最低10分程度行った後、室内を薄暗くしてふとんの上に横になる。
目を閉じて、意識を足先→ふくらはき→膝→股関節→おしり→おなか→胸→首→アゴ→口→鼻→目→額→頭先→方→肘→手首→手のひらと集中させ移動させる。
これを2,3回繰り返す。
(2)そのまま両手に神経を集中し「両手が重い」とこころのなかで5〜10回唱える。
その後、「手がさっぱりしている」と暗示を唱える。
目を開けて手足を屈伸させ体をリラックスさせる。
(3)(1)と同様に、再び足先から手のひらまで神経を集中させ、今度は「手のひらが温かい」と5〜10回唱え、その後に「手がさっぱりしている」と暗示を唱える。
また体をリラックスさせる。
(4)(1)と同様に神経を集中させて足先から額にきたとき、「額が涼しい」と5〜10回唱える。
暗示を繰り返し、体をリラックスさせる。
(5)(1)を同様に繰り返し、最後に、「両手が涼しい」と5〜10回唱える。
※これがふとんの上でできるようになれば、電車の中や学校、会社で席についているときでもできます。
試してみてください。
多汗症の手術
多汗症の手術、わきが多汗症の豆知識先ず、手足の多汗症に関しましては、脇と違い、汗腺を取り除いていくという手術ができません。
そこで、手足は、ボトックス注射というのが最適な治療方法です。
以下、わきが多汗症の手術と治療法について調べました。
◆ボトックス治療 ボトックスにより、汗の分泌を支配する神経の伝達を阻害し、汗腺の働きを抑える治療です。
ただし、これは通常半年から1年ほどの効果になり、2回目以降は、凡そ、初回時より効果期間が長くなっていきます。
◆吸引法「脂肪吸引」と同じ機械・方法です。
手術時間が短いのがメリットですが、取り残しが多く、わきが、多汗症を根治するというわけではありあません。
◆剪除(せんじょ)法多汗症、腋臭手術の代表的な手法で、わきの下の皮膚をめくり、アポクリン腺をハサミで取ってゆく方法。
ただし傷跡が5〜7cmと大きく、場合によっては入院も必要になります。
またドクターの技術によって結果が大きく左右されます。
尚、一部病院では保険が適用される場合もあります。
◆超音波法ハンドピースという器具の先端の振動を使い、その衝撃でアポクリン腺を破壊します。
一般外科で肝臓を切る時などに使われる「キューサー」といわれる超音波メスと同じ仕組みで、硬い組織を残して、柔らかい部分だけを壊す方法です。
傷跡は約2センチですが、超音波により火傷を起こすことがあるため慎重に行なわなければなりません。
但し永久脱毛効果はありません。
◆皮下組織削除法ローラーと刃のついた器具を用い、わきの下の皮膚の裏側を剥がし、皮膚を薄く削り取る方法。
真皮の下層を削り取ることもできるので、エクリン腺も取れます。
難しい手術のためドクターの技術によって効果は左右されます。
術後の固定を厳密に行う必要があり、場合によっては入院が必要です。
手術時間は1時間程度。
傷跡は3〜4cmほどです。
◆レーザー治療法レーザーを照射することで、メスを使わず切らずに汗腺組織を燃焼させ治療する方法です。
しかし、長期的な手術後の症例や学会での発表事例もなく、効果は一時的で根治にはなりません。